外の景色/たけ いたけ
木枯らしの鳴らす歌
コートを着込んだ人々は共鳴し続ける
了承もなく何も交信せずに。
軽やかに走り抜ける黒猫
車道の上でも華々しく在る黒猫
僕は間抜けに口ひげにお茶をこぼした
つむじ風の妄想は色とりどりを巻き上げ
話しかける 誰に。 構わず。
街の歌は止まない
その中を一人黒いコートの男が鋭く歩く
稚拙に仕組まれた家々を
カラスが取り囲み
更に大きく狡賢いベールで覆っている
メッキは剥れるものだが隠されて補修されてしまう
水溜りをかける足
その瞬間は全て消え去ってくれる
僕は相変わらず最期まで乗り遅れてしまっているというわけだ
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