グッドナイト/ホロウ・シカエルボク
 



眠りが浅くて
何度も同じ夢を見る
形にならない世界
言葉にならない世界の夢


破れたシャツばかり身にまとって
午前零時には目を覚ます
冷たさに曇った窓を見て
カーテンの透間を直す


一番小さなあかりにした電灯は
知らず知らずを裸にし
もう一度もう一度と
幻灯機のように稼動音を鳴らす
ぼくが見つめているのは
いまの光なのか


衝動的な憔悴
もはや存在など
まなこに紛れ込んだ塵のようなもので
見つめようとしたって見ていられるものではなく
ほら、隅っこへ逃げていくぜ
舞台はとっくに暗転しているんだ
出番も無いのにどうして突っ立っている
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