助産婦が、間違えて/狩心
 
妊婦の体から
大人の男を引き摺り出した
体液に塗れたその姿
言葉を発しようと、口を開くが
伸び切った粘液に閉ざされ
大きなシャボン玉が膨らむだけだった

ジャボン玉の中で回転する言葉達
助産婦は世界の終わりが来たと勘違いして
自然発火を起こし干乾びていく体を、一つの灰とした
妊婦の意識が失われ、大人の男がよちよち歩きで扉の外を目指した
へその緒がビビッと突っ張って歩行が止まり、地面と水平に、一つの直線を生み出した

直線から粘液の壁が延びて行き、二枚目の地面を構築した
一枚目の地面から、じわじわと地下水が滲み始め
その二つの地面の間に、水中都市が建設された
巨大なパ
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