さなぎから妖精/ヨルノテガム
 

空っぽの隙間から大きな羽が伸びてくる
わたしの持っていない羽
わたしの知らない羽よ

おまえの青さはわたしの青さとはまた違った発芽である

壊してやりたいほど、優しく触れたい





妖精の糞尿は可愛げのある、ちょっと変わった
燃えるようなタンポポの綿毛であった
それは元のさなぎの殻の中にでも
隠していていいんじゃないか
でもまず 妖精がしたことは
わたしに燃える綿毛をお尻から どうだとばかりに
落として見せたことであった



おまえは飛んでいく
わたしの見つめられない所まで飛んでいく
ただそれだけの経過なのだが
もう何かわけわからなくなってくる
存在、分身、化身、
ただ見つめ思い返すことは


グロテスクな毒々しい殻を

するりと抜けて

青赤い妖精が

羽を広げて

座って

















戻る   Point(1)