聞く耳を持たない子供への体罰とその反響/狩心
 
お遊びなんてやめなさいと
お母さんは楽器を奪って
僕の耳を削ぎ落としました
声にならない無音の振動が 空間を切り裂き
壁中に描かれた呪いのような文字が踊り出します
それはメラメラと燃える何かの儀式のようで
そこに集まってくる影たちが
部族の長を決めようと 飛んだり跳ねたりしています
この手がいけないのねとお母さん
僕の指を一本ずつ圧し折って行きます
仕方なく僕の口から流れ出てくる印刷物に
母音の無い子音だけのローマ字が途切れなく書かれています
TYJGSKV … それらを無理矢理読んでみようとするお母さんが
T、Y、J、G、S、K、V、 … と一つずつバラバラにして

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