鉛のゆびさきに/キメラ
そして少しばかりの喘息を患う
見上げの銀河大聖堂から
調子外れのジャム
コラールはというなら単音のまま止めどなく
退廃した昨日の動悸をまっすぐと燃やした
血脈だけが頼りなの
時間はうなだれ
横たわる隠者のなかから
神経のテーゼを蒼い鉛のゆびさきにほどく
夜には
おまえのシャツ
からっきし
乾いた風に靡くころは
ふと瞳をあげ
燃え上がる無声のパリ
誰もいない星空の停留で
虚言を呟きながら
両腕天たかくかかげ
身を円く描き
確かに手に入れたのに
知っている
近しい夜のコラールは単音でまっすぐと響き
ああ
なにも悲しまない
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