ダンス(同じ小節)/ホロウ・シカエルボク
うつろな夜に足元をもつれさせながら踊る
おまえのことを不器用だとは思いたくはない
月明かりは冷たく、病のように青白く
半身起こしたベッドで夢魔の尻尾を逃した
うつろな夜に足元をもつれさせながら踊る
おまえのことを不器用だとは思いたくはない
ケトルは沸騰し続ける、凍てついた空間に
意地のように蒸気を吹き上げている
美しいが
触れるときっと指を傷めるだろう
誰のための支度だ、テーブルの上の茶器
キャンセルされた予定のようにずっと伏せられている
顔を上げたりしないのかい、おまえ
閉じたガラス戸の向こうでヤモリが
もう飛ばなく
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