夜/ムラコシゴウ
? 冷雨
踏みしめるたびに僕の右足の靴底が
ひゃあひゃあ
鳴っている
今日はやけに
ひゃあひゃあ
鳴っている
*****
? その息吹を継ぐものへ
子どもよ
まだ歩み始めたばかりの子どもよ
覚えておくんだよ
君の身体には
詩人の血と
息づかいの音符が
受け継がれているんだよ
覚えておくんだよ
君は
彼の大きく
広がる陽光の手に抱かれて
微笑んでいたんだよ
覚えておくんだよ
君の瞳には
彼の見た妙なる碧空の世界と
残された僕らの希望が
光っているんだよ
そして
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