青く煙立つ祭壇/atsuchan69
とともに
やがて枯れ落ちた色の瞳に灯す、
淡褐色のトパーズの煌き
壁に映された長い人影がおどる。
崩れぎわに見た
夢のつづきは、
たぶんB級の映画じみていた
※
質素な日本式住居の窓から
山々の空間を配置した裏切り、
和紙に刷った千代紙を破りつづけて
――地獄。
女と、女、女
妻は産婦人科通いのここ数日、
酷く乾燥した肌の処方として
回復への道程を経た/命のために
澄まし顔でピエ・ド・コションを食べつつ
女として当然の気取りを見せながら
男の総てを吸い尽くし、
ぴんと、マゼンタの唇を尖らせる
それらは、無作法な愛に綴られた
たった数行の、【人】という名の生きざま。
狂おしくも僕たちは唇を重ねて
夢のうちに泳ぎもがいては
飾る花たちの彩りも映え、
屠られた生贄の血の色も鮮やかに
テロと略奪と飢餓の冬が始る。
青く煙立つ祭壇に
今も唯ひとり、
ロマンスを信じつづける君がいた
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