共振/木立 悟
 





日々過ぎて無言の声の荒れ様に正常(まとも)なものの異常さを知る



つながりは有るのに無いも同じことそのままでいるひとりしている



咆哮の色もかたちも変わりゆく牙の数さえ刺さる数さえ



書きかけの言葉ばかりが増えていきふと消えかける指を見つめる



片目へと至る両目のまたたきを虹の如くにわたる雪かな



冬を捨てまた冬を捨てこれ以上失くすものなき背の寒さかな



けだものよ海へと至るけだものよ道標を喰え道標を吐け



ひとりからひとりを引けばひとりなり自分という名の呪いを歩む



とどろきのその先に果つとどろきへ生と死の浪とどろき止まず












戻る   Point(10)