眠りがすべてを抱きしめるなんて嘘さ/ホロウ・シカエルボク
 
るんだ
だからどうにもならないことが延々と繰り返される
進化するのは水冷システムばかりさ

水際まで下りたら
煙草の吸殻を咥えた魚が死んでいた
それについちゃ何の言葉もない
そんな風に死んでいく物の数が
多ければ多いほど現代という名前には価値が出る
空缶を放り投げようとオーバーハンドの構えを取ったが
思い直してまた握りこんだ
誰にも見せないところでこそ戦いは勝利しなければならない
河原のゴミ捨て場に放り込んだところで
誰かがおまえの手を上げてくれるわけじゃないが
四方を取り囲む観客どもが賞賛を浴びせてくれるわけではないが
おまえは今日何度目かの
オウン・ゴールを決める
だけど
脇にこぼれたガムの包み紙には目もくれなかった
誰もすべての責任を背負う事は出来ないものさ

瞳を閉じて
静かにしていなよ
いまのおまえには
むずかしいことが多過ぎる
瞳を閉じて



呪い言葉は子守唄のように
ただ
穏やかに繰り返せばいいから



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