『凪の終わりに』/
 
鮮やかなその紅色の
君が魅せた微笑みから
僕は今も抜け出せないまま
深い哀へと堕ちていく


いつも通りの道
意識の外を流れる光たちが眩しくて

君の面影を何処か探して
彷うようでただ痛くて


繰り返してた心の中で
あの瞬間を繋ぎ止めていたかった
もう戻れないとわかっていてもこの手に残る感覚を拭いきれないまま…


沈み行くその紅色は
大切な何かを道連れに
叫びさえもう届かない
深い愛へと堕ちていく


呻吟ふ………?
目覚める……?
時が想いを運んでいく


鮮やかな君の姿に
僕は今さよならを告げて
動き出すこの凪の終わりに
新しい風を見つけたから




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