オリオン/石畑由紀子
 

というのは必ずいて
今日も彼はそれをしでかしてしまう
残念
そうやって
すこしずつ失いつづけるんだ



オリフィスのベルトをきゅっ、としめて
寒空のしたを歩く
またたく間に
さらさら
こぼれおちてしまわないように

オリオン
すぐ下の直角三角形はうさぎ座の胴体
右側の鋭角
から伸びるふたつの耳が見えるときは
空が澄んでいるという合図です


オリオン
導かなくていい
そこで輝いていてくれれば
私は自然と気づくから
歩くのは私だ
私にとっての正しさを
私は
ひとり
いつもそうやって歩いてきた

あとは

空が
晴れていますように
見上げるとき、空が
どうか澄んでいますように

オリオン、





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