血/
城之崎二手次郎
バイト先の女の子に告白したら、あっけなくふられた。その夜、貯金をすべておろしてタクシーに乗った。とにかく北へ向ってくれ。戸惑う運転手に事情を話すと、彼も今日女にふられたのだという。女の悪口に花を咲かせた。運転手の名前が気になり、ダッシュボードの上のプレートを見た。写真の顔は女性のものだった。名前は西田幸子。運転手をふった女の名前だった。この車に乗ったとき、血のにおいがしたことを思い出した。
あとがき。
二〇〇字物語第十弾。
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