高層ビルの派遣社員/狩心
 
船の影
岩肌に照り付ける
ストロボライトの中で
亡霊たちが何か呟いているが
定期的に巡回する玩具の機械が
猿みたいにシンバルを叩き続けて
全ての音を掻き消してしまう
その無音を売り捌く新入社員の小さな吐息が
余命幾許かの子供達の言葉を忘れさせた
遊覧船の結末
騙されたままで
真実を知らない
メiデiア
故郷から遠く離れた小島から
電気屋と薬屋の眩しい光の中で麻痺
または消毒されて剥がれ落ちる皮膚
掻き毟る肌
何も張り付いちゃいない
俺たちは裸のままだ
何も持たされないままで
巨大昆虫が犇く戦場に派遣される
未来から送り込まれた
運命を変える兵士?
ちょ
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