見上げれば曇天/
アハウ
空は そっと倒れこみそうだ
深い雲がみえて
時は静かに止まってしまい
庭先に灰は降りて
やわらかな綿毛が吹き寄せて
湿った窪みに時を
ゆっくり積み重ねている
凍るように
音楽は聞こえていて
この無時に色彩を咲かせている
灰は積もり
綿毛は微笑み
純白とくすむ色 淡白
何かのときに
綿毛が灰を振るい落とす
愛玩犬のように
世界は灰と軽やかなもので出来ている
きっと きっと
見上げれば曇天
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