冬のはじまり/プル式
性に涙が止まらなくなる。そんな訳で、僕の密かなあこがれは、冬の夜、家族でクリームシチューを食べる事であったりもする。
・そこにある世界
僕が絵描きになる事を諦めようと思ったのは、なんて事のない、小さな事だった。僕は今までいろいろな事をして来たし、多分、それが身になり、随分助けられてきている。僕の兄弟たちは同じ様な中で、いろいろな路に出会い、一つの路に進んだ。兄は映画を撮りながら起業し、弟は結婚して音楽で食べている、僕は絵を描きながら働いている。三人三様なことをしている。比べてしまったのだ。そうして、年齢を感じてしまったのだ。僕は元々追いつめられる事が嫌いだし、能天気な性格だと思う。それ
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