目で追え/佐々木妖精
 
自分から目を離すことができない
離した瞬間
時間が粉砕されバラバラの破片となり
その今という破片がなんの脈絡もなく断続的に出現するのです

破片を渡し石として今を飛び越えていく時
その下にある闇の深さに凍えます
今いる時間から
次の場へ飛び
それにしくじった時
自我は海より深い夜に溶けて消えてしまうでしょう



29年もかかったのに・・・!



足場を確認するごとに
このあまりにも脆弱な存在が悲しい

静止した自分を幾度となく観たことはあるのですが
動いている自分を見た事がありません
この身体は確かに自分であったはずなのに
今となっては時間と生活のものです



今日は
古ぼけた紙を、窓口から1枚取り出し
それを青白い紙、紙幣
銀色の金属、硬貨
そして梨や牛肉と交換するという
小難しい狩りを行いました
ルールが難解でどうにも把握しきれないのですが
流行りの猟は紙に文字で模様を描き続けることみたいだ
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