ノート(打音)/
木立 悟
木琴が鳴る
放つことなく
受けとめるまま
木琴は鳴る 木琴は鳴る
明けてゆく夜
蒼つなぐ蒼
明ける色の手
見えない手
隅に集まる
光の渦
紙に染み込み
くすくす回る
音のない声
音のない唱
闇に闇を
もとめるくちびる
双つの雨が まだらに重なり
遠くも近くも
背だけが濡れる
緑のなかの 緑の拍手
放つことは 受けとめること
わかりながらわからないまま
ひとり残る器の底に
木琴は鳴る 木琴は鳴る
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