ノート(打音)/木立 悟
 



木琴が鳴る
放つことなく
受けとめるまま
木琴は鳴る 木琴は鳴る


明けてゆく夜
蒼つなぐ蒼
明ける色の手
見えない手


隅に集まる
光の渦
紙に染み込み
くすくす回る


音のない声
音のない唱
闇に闇を
もとめるくちびる


双つの雨が まだらに重なり
遠くも近くも
背だけが濡れる
緑のなかの 緑の拍手


放つことは 受けとめること
わかりながらわからないまま
ひとり残る器の底に
木琴は鳴る 木琴は鳴る











[グループ]
戻る   Point(7)