まどろっこしい/紫苑
康面はどっちでもいいらしい
そろそろ地球上の林檎に喧嘩が売れそうだ
と暗褐の水色を舐めたら
林檎は一文無しだから買えないよ
と席を立つ
林檎にいささか失礼だろうに
君を家まで送って子供から大人まで支持される
喋らなくてもいいさよならの仕方をする
彼女はやっぱり僕を吊ったまま「またね」と言って
僕と同じさよならをした
帰り路僕は彼女の次なる名前を考える
「またね」とまたそんな日が来るのを疑わない彼女だ
もっと似合う名前を「またね」までに考えなくては
仰いだ空に降る一番短い波長は僕にはもう届かなくなっていた
今日も彼女は嘘を吐いた
今日も僕は1つだけ本当を言った
いつそれが嘘に変わるか
その時僕と世界を反転させるか
今日も僕と騙くらかし合い
笑えなくなった方がハンプティ・ダンプティ
ああ、明日もメトロノームの親戚に違いない
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