気にしないから好きにしなさい /
みへき渉
まだ幼かったころ、危ないところへ行ったら駄目と怒られた。
あの丘も、あの川も。
分別もついたころ、僕は丘へも川へも行った。
こっそりと。
母さんは、 もう 気にしないから好きにしなさい と言った。
僕は毎日陽が落ちるまで泥だらけで遊んで
ある日、すべって頭を強く打った。
今ならわかる。
母さんは、 もう「あなたのことなど」気にしない と言ったんだね。
でも、行きたかったんだ。
行かずにおれなかったんだよ。
戻る
編
削
Point
(1)