「離すけど」/菊尾
 
「これ以上何も要らないんだ」
似合わない無欲
ヘタクソな言い訳で自分を成り立たせてる
何を気取ってる?
その何かさえ未知のまま

情緒不安定
異国情緒溢れる思い出のあの場所
何を言ってもどこへ行っても
鈍い五感に無駄な自信

認めたくない現実も
居心地の悪そうな君の顔も
全部知らない振りで素知らぬ顔で
そんな事だけ上手になって
役者になれるかな?なんて絵空事


この手はきっと何かを離すため
離せばきっと繋ぎたくなるから
だから離したいんだ

潰れた妄想を片付けられない
ただ在るのはあの左手
いつかは忘れてしまうあの小さな左手
ただ、それだけ

それだけで

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