奇妙なサンクション/捨て彦
」
「あとは、どれだけちえちゃんの体を楽にさせてあげるか、ということしか、私たちにできることはないんです。」
「うう・・・」
「ほやから、私もできるだけ、ちえを見守ってあげたいんよ。あげたいんやけど・・・、ふいに、この子の顔みとったら・・・涙が出てもうて、かなん」
「姉さん・・」
「ちえちゃんは苦しい時でもずっと我慢して痛いとは全然ゆわへんのです。ほんまは薬の副作用で、体もかなり痛いはずやのに・・。この子はそんなことちょっとも口に出しません。それに、最近は嬉しいてゆうてますよ」
「え?」
「昨日お母さんが外へ買い物行かはった時に私がついてた時、ちえちゃんが嬉しそうな顔してゆうんです」
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