奇妙なサンクション/捨て彦
車がな、ものすごい急ブレーキかけてな、おれの目の前で、ほんまに目の前で止まってくれたんや」
「ぼくはしにま、ぐらいか?」
「いや、もう、ぼくはしにませ、くらいのところで止まってくれたんや」
「めちゃくちゃ危ないやないのッ」
「そや、ほんまに危なかった。ほんで、おれ、あまりのことに失禁して、その場に座りこんでしもたんよ。そしたら、車の中から人が出てきて・・・」
「それが後の織田信長」
「それが谷村やってん」
「そうやったの」
「谷村は失禁したおれをおぶってコインランドリーまで連れていってくれて、わざわざお金入れて、おれのズボンを脱がしてくれて、パンツも脱がしてくれて、それをコインラン
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