七人の話 その2/hon
 
う。思えよ」
「声はかけてるんだよ。でも、いつも返事をするとは限らないわけだろ。返事をする気分のこともあれば、返事をしたくない気分のこともあるだろ。無理に返事をさせるとか、あいつもイヤなんだ。実際、ここんとこ、食事持ってって、シホから返事なんか、ほとんど聞いたことないんだよ」
「お前な。……何のために、俺がお前をシホの部屋にやってると思ってんだ」
「何って、なんだ。あそこ行ってんの俺ばっかりじゃないか。いっつも俺にだけ行かせて、ヒイ兄はどうもしないで、いざって時にはそれかよ。俺が悪いのか。なんで俺ばっかだよ」
「お前をシホの部屋にやってるのは、俺の考えだ。俺はいつでも考えてる。七人でひとつ
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