果てを探して/比口
 

飴色の過去に浸る君に僕は言う

『ねぇ、果ての存在を信じる?』

ひび割れた壁を伝う光に手をのばして笑う


『ない、ないよ。そんなものただもとの位置に戻るだけだ』

背後から伸ばされた手

確かに君の果てをつかんだ

『これでも信じない?』

果てとは終わりにはない
振り向いた先が果てなのだ


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