Jack/000
夜空を輝く星の名前は
誰も知らなくて
世界の外には果てしなく海が続いていると
確かに信じられていて
路地裏で独り 蹲っていた
微かに北極星が動いた気がした
冬の寒い日にレコードをかければ
冷たい部屋に無慈悲に降り注ぐ
ちらつく雪を払って
空を見上げれば
数え切れない星があった
傘は差さないでおくれよ
自分の世界を暗くして何になるのさ?
夢を見ようよ
知らない国の国旗を背負った戦士は
妻を思って泣いていた
彼を慰めようとして肩に手を置いた
ブルーの瞳が妙に黒く濁っていた
白い肌が季節にピンクで応えていた
彼の拳銃に撃たれて
僕は死んだ
人々は死者は星になるのだと
生まれながらに思っていたけど
僕は知っていたのさ
空は余りにも遠過ぎる
僕は何処にもいけないんだって
首に掛けたロザリオと一緒に
星の見える丘に埋めてくれないか?
夢を見たいよ
降り積もった雪が邪魔で
星が見えないよ
レコードが聴けないよ
世界が暗いよ
夢を見ようよ
夢を見ようよ
夢を見ようよ
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