黒い花/草野春心
 


  ぼくは真綿だった
  たった一つの雫がぼくの総てを染めた



  夕焼けはぼくを畏れさせ
  きみのもつ昏さがぼくをひきつけた



  棘はまるで無かったけれど
  その花びらはどこまでも黒かった



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