Delusive self/度会沙生
世界を その手ですくい取れ
掴んでは散りゆく夢たちを 追いすがって得るものなど
これから生きる世界にとって 何の価値もないのに
なぜ僕たちは 理由も無く泣き叫ぶのだろう
問い質してみても 答はいつも同じ
自分で探そうとも 当てなく彷徨うだけ
現実という名の 重荷を背負った者たちよ
曇ったその窓に 何を見る
それは創りだされた虚像
誰が止めたって 僕たちは立ち止まったりできない
ならせめて求めるものは 偽りでも輝いている自分
もう少し待って きっと見つけ出す
微かにでも誇れる 実像の自分
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