陽光/かたや 剛
 


赤い夕暮れ

心の弱さや脆さに僕が行き着いた先






悪魔は涙を流し
お前の一番の味方に
なってやると

ある書物では
悪魔の涙は
死への誘引の
罠であると


僕は彼を抱きしめた


彼はそれでも
泣いていた



赤い夕暮れ

心の文字さえ
消えてしまえば
お前の苦しみは
すぐ消えると

お前の迷いの本心は
答えを知らないお前のままで
実は満足しているんだねと

優しい結論を
悪魔が言う


ああ僕は君さえここにいて
僕を優しく強く
抱いてくれたらと

君が望んだ今日からの
僕の全部を与えると


だからどうか
泣き止んでほしい

こんな惨めな生き方をした僕のために泣かないでほしいと


赤い夕暮れ

何かを持たなきゃいけないなら
今皮膚に照るこの赤色が
僕の今日まで生きた証しでいいから



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