室 内/塔野夏子
 
罫線のパントマイムを観測する
午後三時十一分
抽斗の中に漂う真珠色の憂愁に呼応して
ぶれてゆく窓枠
書棚のざわめきが
微笑んでいるソファの方へ吹き寄せられる

白いカップのアールグレイを中心に
ゆっくりと室内が一廻転する






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