青/山中 烏流
溢れる私を
指先で小さな歌にして
空に、伝えようとしたら
途端に青く
それは多分
あの人形の瞳くらいに
青く、なってしまったから
私は未だ
その時溢れていた歌を
伝えられないままだ
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草むしりの音が
まだ広場に響きながら
主張をしていたとき
私は今よりも
ずっと幼さを知り
また、愛していたように
思う
鎮座した日射しが
まだ、柔らかさを
讃えていた頃
私は
はっとするほどの青を
瞼が降りる
その刹那の先に
見つけていた、から
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這い出た赤の
艶やかなきらめきを
い
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