妹/
城之崎二手次郎
昌幸は、体育館の倉庫でサンドバッグになっていた。浜崎たちが、かわるがわる昌幸の腹を殴る。誰のパンチで涙を流すかを競っているのだ。毎日のように行われるゲーム。今日は松本のパンチで涙が出た。浜崎と森本が腹いせにもう一発ずつ殴ってきた。悔し涙を枯らして帰途につく。帰宅した昌幸は、気分を紛らわすために妹の部屋へむかった。両親はまだ帰らない。ハンカチでふさいだ妹の口から漏れる悲鳴は、誰にも聞こえない。
あとがき。
二〇〇字物語第八弾。
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