掌の上の真実/サバオ*
 

やたらと
犬が吠えると思ったら
今夜は満月だった


クルクル巻いた
オレンヂ色のマフラーや

ヒソヒソ内緒話をする
双子だとか

そういったものには
もう 懲り懲りで

あの娘はどうしているんだろう
なんて 想って

じゃあ あの猫は一体どうなる?
なんて考え出すとキリがなく


僕の思想は
数珠繋ぎに果てしなく

これはすべて
犬が啼きやまない
満月の夜のせいで

今夜は眠れないであろう
真実だけが

僕の掌の上で
踊った。
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