テールランプ/佐々木妖精
 
まだひらがなしかよめなかったころ

ちちのうんてんするくるまのなか

さかみちのうえで

たくさんのくるまが

なかよくえがいてた

てーるらんぷのりぼんにあこがれ

ぼくもなかまにはいりたいとだだをこね

ははにあたまをなでられた



秒針が微動だにしない堕ちた季節と
短針が真逆へ移動する一瞬の喜びを繰り返し


自分の手で
自動車を運転するようになっても



あの時見た
テールランプの帯を思い浮かべ
もうその頃には戻れないのを知り
カーステレオで、ひとりの空間を形成する

今観るとそれは
途切れ途切れの点で
それぞれの車内
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