ガラス球の少女/佐野権太
 
柔らかく重なる
雲の色彩は
思う
あなたの
帆走する
今を、未来を

かすかに拓かれる
澄んだみずいろは
呼吸
わたしの
アクアリウム
泡よ、せつなよ

いつのまにか、ふたり
そんなふうに
空みたいに
流れて
流れついたら
と、思う

とじこめられたガラス球
ゆいいつの予感は
宇宙
遥か、むらさきの
けれども
それは
神々の、秘めごと






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