荒れ野/木立 悟
水の空の
あおむけの
限りなく分かれる
さざめきの無の
道標を欠く
夜の星狩り
蒼にひらく
火照りの腕
油の片手
灯すまもなく
指はかがやき
荒れ野を照らす
膝の裏側 触れては消える
やわらかさ かたさ
とめどなさ
残るもののない とめどなさ
狭い水を ただ幾度も
まわりつづけるだけなのに
見たこともない笑みばかり
見たこともない笑みばかり
消え去るものは消え去らず
とどまらぬもの ゆらぎとどまり
しあわせの輪郭を重ねからませ
ふせたまぶたのかたちを運ぶ
突き放すことのできなかった
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