秋雨男/udegeuneru
雨がしとしと降ればうれし
表に出ない為の言い訳ができるから
小学生の頃、スイミングスクールで俺は、泣きながら
「いきがくるしいのでやめたいです」
と言って本当に辞めてしまった
泣いていたのは、ちがう苦しさからだった
なかなか次の級に上がれないのが、もどかしかったのだ
思えばあのときから俺の精神はまったく成長していない
「アイデアが出ないので作れないです」
「足をひっぱるだけなのでゼミに行きたくないです」
「雨が降っているので外に出たくないです」
もう泣くことはない
空が代わりに泣いてくれるから、、、ということではなく
そういうところだけは大人のふりをしているの
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