雑魚寝/佐々木妖精
マンガを読み
その続きを楽しみにしていた
大学の先輩を思う
彼は三年前に病死したが
今もよく頭の中で会う
頭の中で彼も
このマンガを読んでいるだろうか
先輩の好きだった人物が闇に堕ちたが
彼はそれを受け止められただろうか
パチンコが好きだったおじいちゃんは
原付に乗って孫の頭へ駆け込んだ
それから二十二年経ち、
俺は時々おじいちゃんに会うためパチンコを打って
だいたいは負ける
二年前に老衰で死んだ愛犬
骨となって綿の袋に包まれ
ポケットの中で生きている
夜道をフラフラと
老いぼれた犬の散歩に付き合い
疲れたろうと抱き上げうち
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