パンチングアニマル/白川水
動転したフランス人形の蒼い瞳に
死の灰を撒き散らかした曇天が深く吸い込まれていく
街外れの浄化槽には脚を悪くした犬が放り込まれ
とろけたその瞳からは最期の涙が温かく流れ落ちる
ヘドロと混ざり合った柔らかな想い出はやがて海に孵って
きっと気が狂ったお友達に新しい引き金を弾かせるさ
閉ざされた場所で腐り朽ち果てる
精液のようなお別れの涙
運命に媚び入るような断殺魔の慟哭
人間様の愉快な気紛れ
神様に代わる偉大なこの星の代理人
この万物の霊長たる存在
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