特別であり普通である私たち/岡部淳太郎
 
をしていたのでは片手落ちであり、あまりにも鈍感すぎる。少なくとも詩に限らず何らかの創作活動をしている者でこの程度の認識もしていないと、創作者失格であると思う。また、逆にあまりにも「特別」な自我を持ちすぎてしまっても、目指すべき普遍性にはたどりつけないであろう。あまりにも粗雑な結論で申し訳ないが、創作者は「普通」と「特別」のどちらにも強すぎる思い入れを抱かないことが肝要だと思われる。
 人が「特別」な存在になるか「普通」の存在になるか、その成り行きは自らの心の中をしっかりと点検することで確認出来る。結局問題はそれぞれの個人が自分自身をしっかりと保ちつづけることであり、そこからしか未来は開けないと思うのだ。



(二〇〇七年八〜十月)
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