りんどう色の/塔野夏子
 
君と私が会うと
言葉を 眼差しを交わすと
りんどう色の深淵が しずかに生まれてゆく
言葉を 眼差しを交わすほどに
それはしずかに 深まってゆく

二人して覗き込む
そのなかば透きとおった深い青を

いつかそのただなかへ
手をつなぎあって
あるいは抱きあって
幾重にも幾重にも墜ちてゆくことを
かなしい憧れで 予感しながら




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