きょよう/山中 烏流
そのくちびるから
なまえが
あふれるたび
わたしのひとみは
ちいさく
またたいたあと
もろもろを
こぼすことを
ゆるされる
のです
うつりこんだ
むらさきいろの
そらに
じゅうしんを
ずらして
そのゆびさきが
かたちを
さししめすたび
わたしののどは
ちいさく
ふるえたあと
こきゅうを
はじめることを
ゆるされる
のです
すいこんだ
さまざまのいみは
みもだえながら
わたしのわたしを
うがつ
そのひとみから
いのちが
うまれるたび
わたしのおくは
ちいさく
はねたあと
こどうを
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