ダルメシアン・ポラロイド/黒川排除 (oldsoup)
 
写真を撮りました。私の住んだ街の、私の住んでいる街の、これから私が住むであろう街の、あるいはわたしが永遠に夢見るだけの街の、街の写真を、写真の街を、写真の街は、机と椅子だけでは持て余してしまったわたしの足が仕方なく付いている床一面に結果として敷き詰められています。引っ越しというのはその写真をかき集めて持ち運ぶだけの簡単な作業のように思います。あらゆる角度、あらゆる角度に、街もカメラもじぶんも犬も撮り果たしました。そして撮り果たしたものから、撮り果たした順番で捨てていこうと考えることがただ、生活と呼べる唯一のものです。今では外に飛び出たバルコニー、この狭すぎる風当たりだけが私の領地。)
 わたしは
[次のページ]
戻る   Point(6)