ダルメシアン・ポラロイド/黒川排除 (oldsoup)
 
しに向けられていました。わたしが嘘つきだからです。戦争も起こっていません。わたしが信じていただけです。写真を撮って欲しいというのは、嘘つきでも写真に写るかどうか試して欲しかったからです。
 知らないわたしを知ってるでしょうか、知らないあなた。おそらくわたしを知らずに生きてきたことがことさらわたしを知るきっかけになるようなことは無いように思います。周りに何も無い場所に行きたい。白くて小さい家に住みたい。道を一本だけ付けて、つなぎ目の無い断絶した地形から地形へ移動する者にパンと牛乳を分けてあげたい。家の周りに小石を不規則に並べたくっても、祠のように寒々とした地方の片隅で、わたしの願いは地図のように見
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