デリヘル抄【自由律俳句】/石原ユキオ
 


たいていのものは飲み込める歳になった


鞄の中でイソジンがこぼれた


五センチの隙間からチェンジと言われている


携帯小説読んでも文学少女と呼ばれ


なじみの客がとってくれた宅配のピザ


新入りが傷だらけの腕見せてはにかむ


過去はラメ入りのプリクラ


待機中回し見るPJのカタログ


痛すぎて手を挙げた


ボトル緑茶で苦味をごまかしている


路地で殴られていた浮浪者父に似ていた


江古田ちゃん読んで泣く休日


生理休暇のぬるいビールだ


ロリ系の熟女とは私のことか


胸のないゆうこりんとは私のことか


泡立ちの悪い男だ


陰性ですよと言われて木漏れ日の待合室


また二歳若返らされる誕生日


指名なくて一週間終わる




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