夕焼けマジック/yo-yo
空の
一日が崩れてゆくあたり
もういいやとばかり
投げ出されてしまった光の欠片
渚のように引いてゆく
煙のように戸惑っている
燃えつきる
その一瞬をつかもうとして競った
ぼくらは
どれだけ拾えただろうか
照り映えに
腕と頬を赤く染めて
空のマジックに
ことばを一枚ずつ奪われて
草と髪と
焦げた風とともに
夜におちる
そこだけ残った
光の蛇口の
水圧に息を止めながら
ぼくらは
あしたも、
あるといい、な。
なにが、え?
うん、
なにかが、
な。
何もない手を振って
ことばの欠片を落としてみせた
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