電脳世界/
緋月 衣瑠香
誰かとつながっていたかった
ひとりは嫌だった
そのために
偽りの名をつかって
この電脳世界という海の
情報という荒波の中を
藁をもつかむ思いで泳いだ
自分と似た人がいてほしかった
話せる人がいてほしかった
だから
泳ぎきれやしない海を
溺れそうになりながら
必死で泳いだ
ただただ
誰かとつながりたいがために
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