ちるどしつ/カンチェルスキス
あなのむこうにだれかすんでるかもしれないと
ぼくはおもいました
じっとのぞきこみました
てをふるものはだれもいませんでした
みえるけしきもなんだかありふれていました
やっぱりつめたいかぜがふきぬけていて
まるでちるどしつのようだとおもい
こんなのいらないと
ぼくはおもいました
とおりかかったどうぶつたちが
あなをのぞいては
つまらないかおをして
さっていきました
みせものじゃないんだぞと
ぼくはおもいました
だけどきにしませんでした
かれらはこういうものめずらしいものが
すきでした
だからぼくはわざと
こ
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