糸を放つ/アハウ
 
鮮やかに 雲が 
青空から 吊り下げられて

細いナイロン糸が
結び目を のばして

雲は動く
己の腕の寂しさが続くかぎり
雲は行く
己の知らないくにざかい

雲の影が落ちる
都市の端 小さな川の流れる土地で

少年は 続けている

もっと遠く もっと速く
雲が流れるように

細いナイロン糸を 結び

風の凧
見えない風に乗せて
糸を空へ向けて 放つ

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